雅叙園|和のあかり・百段階段2023 ・極彩色の百鬼夜行|口コミレポート

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東京の有形文化財である雅叙園の百段階段。

ここで2023年夏、行われている企画展が【和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~】です。

2023年8月頭に、浴衣を着て【和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~】に参加してきました。
百段階段と企画展のアートで形作る百鬼夜行の世界観の表現がとても素晴らしかったので、ご紹介します!

この記事を読めば

  • 百段階段2023和のあかりの企画展の全貌がわかる!
  • アクセス&見学時間&見どころなど必要な情報がおさらいできる!
目次

雅叙園の百段階段とは 

ホテル雅叙園東京の百段階段

「百段階段」とは、ホテル雅叙園東京(目黒雅叙園3号館)に現存する唯一の木造建築です。
2009年には東京都の有形文化財に指定されました。

1935年に建てられた百段階段。
かつて食事や宴会が行われた7つの部屋を99段の長い階段廊下でつないでいます。
各部屋は、当時の画家や建具師、塗師など熟練の職人たちが装飾を凝らしています。階段には厚さ約5cmのケヤキ板が使用されています。

雅叙園の特徴は装飾の豪華さ。「昭和の竜宮城」と呼ばれるほどです。
近年の研究によると、その豪華な装飾は桃山風や日光東照宮、江戸文化に関連するものとされ、特に「百段階段」は装飾の美しさから、伝統的な美意識の最高到達点を示すものとされています。

現在では、「百段階段」の見学ツアーやイベント、企画展などが年間を通じて開催されています。

【企画展】和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~

和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~

「和のあかり×百段階段2023~極彩色の百鬼夜行~」は、ホテル雅叙園の百段階段で行われる企画展です。
開催期間は2023年7月1日(土)~9月24日(日)となっています。

文化財「百段階段」を彩る和のあかり。今夏のテーマは「極彩色の百鬼夜行」で、階段でむすばれた7つの部屋を進むごとに現世から異界へ迷い込むような演出が楽しめます。

鮮やかな色の演出が印象的で、妖怪や鬼が夏の涼を感じさせます。美しくも妖しい世界へと魅了されてしまいますよ。
音楽や香りを含めて五感で体感できるイベントです。

【和のあかり・百段階段2023】レポート

ホテル雅叙園に到着

ホテル雅叙園東京の外観

目黒駅から徒歩5分程度歩いたところにホテル雅叙園はあります。

駅からの道のりは長い坂があるので、高齢の方には大変かもしれません。
無料ホテルバスがありますので、歩くのに自信がない方はぜひ利用しましょう。

ホテル雅叙園東京の看板

ホテルの正面玄関から入り、左手に百段階段の受付があります。

ここで当日券を購入し入場できます。
事前にネットでオンラインチケットを購入しておけば、スムーズです。

和のあかり・百段階段2023・極彩色の百鬼夜行受付

受付を通過したら、エレベーターに乗って百段階段の入口まで移動します。

ここでもう感動してしまいました。エレベーターが豪華すぎます!

ホテル雅叙園東京の百段階段のエレベーター
ホテル雅叙園東京の百段階段のエレベーター

螺鈿細工のエレベーターが私たちを出迎えます。
こんなに豪華で美しいエレベーターは初めてかもしれません。
百段階段に到達する前から、満足してしまいそうですね。

みなさん感動して写真を撮っていました。

エレベーターを出ると…
そこにはたくさんの風鈴とちょうちんが!

たくさんの小田原風鈴
柏木美術鋳物研究所(小田原風鈴)
篠原風鈴本舗の江戸風鈴
篠原風鈴本舗(江戸風鈴)
柳井金魚ちょうちん
柳井金魚ちょうちん祭り(山口県柳井市)

夏の涼を感じますね~!風鈴もたくさん並んでいると迫力があります。

個人的に、金魚ちょうちんの表情がお気に入りです。愛嬌があってかわいいですよね!

百段階段の入り口

百段階段は和室のお部屋です。

靴を脱いで入場します。袋は用意されています。

伏谷商店の名古屋ちょうちん

1962年創業の「伏谷商店」の名古屋ちょうちんが並んでいます。

優しい灯りとちょうちんのデザインがおしゃれ。素敵ですね。

百段階段

ホテル雅叙園東京の百段階段

東京都指定有形文化財「百段階段」です。

実は階段は全部で99段。
これで完璧なのではなくこれからも一層発展していくという気持ち」がこめられているそうですよ。

日本では、あえて不完全のままにしておく建築が数々みられますよね。

十畝の間・異界へと続く道

十畝の間・異界へと続く道

青く妖しい灯りが印象的な「十畝の間・異界へと続く道」。

粕谷 尚弘氏による独創的な生け花と、中野形染工場の籠染灯籠が幻想的な空間を作り上げています。
鳥居が続いているような道。この先にはどんな世界が待っているのでしょう。

十畝の間・異界へと続く道

百鬼夜行の異世界に迷い込んだような錯覚を起こしますが、同時に、何だか落ち着く不思議な感じ。

ぜひとも畳に座って、静かにこのお部屋を感じてみてください。

十畝の間天井・異界へと続く道

十畝の間の素晴らしい天井の花鳥画もお見逃しなく。

十畝(じっぽ)の間

荒木十畝による四季の花鳥画が天井に描かれたお部屋です。
前室に8面、本間に15面、合計23面の襖仕立ての鏡面に描かれた絵画は実に見事です。

黒漆の螺鈿細工が随所に見られる重厚な造りの部屋となっています。

7つの部屋で一番格式が高いお部屋です。

漁樵の間・鬼の住処

漁樵の間・鬼の住処

「漁樵の間・鬼の住処」は鮮やかな色彩がまぶしい艶やかなお部屋です。
鬼の住処を表現しているだけあって、ちょっと不気味な恐ろしさも感じます。

本間 ますみ氏によるペットボトルアートが、極彩色の灯りを演出する要となっています。
この美しい水晶や孔雀がペットボトルでできているなんて想像もつきませんね。

音楽に合わせて移りゆく極彩色が、部屋の印象をみるみる変えていきます。

漁樵の間・鬼の住処のペットボトルアート

漁樵の間の彫刻や日本画も、いつもとは違った姿を見せてくれているような気がしませんか?

漁樵の間天井・鬼の住処

漁樵(ぎょしょう)の間

彩色木彫と日本画に囲まれた美しく豪華なお部屋。
床柱は左右ともに巨大な檜で、精巧な彫刻 (中国の漁樵問答の一場面)が施されています。
格天井には菊池華秋原図の四季草花図、欄間には尾竹竹坡原図の五節句が極彩色に浮彫されています。

室内はすべて純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられています。

草丘の間・異世界の四季

草丘の間・異世界の四季

「草丘の間・異世界の四季」は、歌舞伎の演目で異世界の四季を表現しているお部屋。

前の2つの部屋より、明るい印象を受けました。

草丘の間・異世界の四季七夕飾り

櫻井 駿氏による七夕飾り。鮮やかで力強く、元気をもらえる感じがしますよね。

草丘の間・異世界の四季の藤娘

「藤娘」は若い娘に姿を変えた藤の精霊。衣装が非常に美しいです。

草丘の間・異世界の四季のよねやまりゅう

よねやまりゅう氏の作品も展示されています。
人間と他の動物が合わさったような不思議な生きもの。妖怪?
とても印象的で、しばらく見入ってしまいました。一度見たら忘れられません。

草丘(そうきゅう)の間

礒部草丘による四季草花絵と瑞雲に煙る松原の風景が格天井の秋田杉及び欄間に描かれています。
障子建具は非常に手の込んだ面腰組子となっています。

静水の間・白き狐の世界

静水の間・白き狐の世界

「静水の間・白き狐の世界」は、まるでススキの風になびく音が聞こえてきそうな静けさを感じるお部屋でした。

薄暗いお部屋には、ススキの群生する草原に白狐が潜んでいる様子が表現されています。
秋の夜のようです。

静水の間・白き狐の世界の藍染の花

米川 慶子氏による藍染のお花。
藍色一色のお花が美しいです。

静水の間・白き狐の世界の妖怪たち

髙橋協子氏による小さな妖怪たちの陶芸作品は動きのあるかわいらしさを感じます。
楽しそうな妖怪たちの表情にも注目してください。

静水の間・白き狐の世界、高山 しげこ氏による作品

お気に入りはこちらの三日月のような作品。
紙でできたこちらの月は高山 しげこ氏による作品です。静かでやわらかな灯りが周囲を照らします。

百段階段株式会社第一印刷所の作品
百段階段株式会社第一印刷所の作品

静水の間から星光の間までの廊下には、紙でできた錦鯉が泳いでいました。
1943年創立した歴史を持つ株式会社第一印刷所による作品です。

静水(せいすい)の間

奥の間の床柱は黄檗丸洗、格天井の秋田杉は池上秀畝の鳳凰・舞鶴、欄間四方には小山大月の金箔押地秋草が描かれています。

次の間の天井及び欄間を描いた橋本静水の名から「静水の間」と呼ばれています。

星光の間・水が紡ぐ詩

「星光の間・水が紡ぐ詩」のお部屋には、たくさんのガラス作品が展示されていました。

星光の間・水が紡ぐ詩

日本の伝統工芸品である津軽びいどろや江戸切子、琉球ガラスなども飾られていました。

星光の間・水が紡ぐ詩の江戸切子

大好きな江戸切子。多彩で粋な切子デザインが素晴らしいですね。

星光の間・水が紡ぐ詩の琉球ガラス

米軍基地で廃棄された瓶を再利用したところから始まる琉球ガラス。
「海蛍シリーズ」の琉球ガラスは暗闇で神秘的なグリーンの光を放ちます。
夜の海に光る海蛍を思い出させますね。

企画展の作品だけでなく、星光の間の板倉星光による四季草花にも注目です。
アユやカマキリ、キツツキ、蝶など、四季を感じる色んな生き物や草花の絵が描かれています。

星光の間の天井
星光の間の天井
星光の間のキツツキ
星光の間の蝶

星光(せいこう)の間

板倉星光による四季草花が描かれたお部屋。

奥の間の床柱は北山杉天然絞丸太で、次の間の床柱は槇出節両室とも格天井及び欄間いっぱいに草花図が描かれています。

スッキリと明るい印象を受けるお部屋です。

清方の間・対岸の現世

清方の間・対岸の現世

「清方の間・対岸の現世」は水面から見た対岸は懐かしい現世であることを表現しているようです。

清方の間・対岸の現世

お部屋に入るとまず目に入るのが筒状の灯り。たくさんの文字が妖しげに光っています。
追いかけてくる異界から逃れる呪文でしょうか。

清方の間・対岸の現世
清方の間・対岸の現世、弦間康仁氏の照明作品

水面を表現したような灯りや、タンポポの綿毛や鬼灯の灯りが自然の美を感じさせます。
いずれも弦間康仁氏の照明作品です。

清方の間・対岸の現世、和傘あんどん

和傘あんどんをある位置から覗くと、万華鏡のように見える演出があります。
これも、異界と現世が対岸を挟んで隣接しているようなテーマを感じました。

清方の間・対岸の現世、希莉光あかり

倉敷光作所による希莉光あかり(きりこあかり)は大人気。
映えますね!みなさん(特に女性)写真におさめていました。
希莉光あかりという名前は「希望と癒しの光」を意味しているようです。百鬼夜行の世界から現世に戻れそうな希望を与えます。

清方(きよかた)の間

美人画の人気作家である鏑木清方による落ち着いた静かな茶室風の室です。
扇面形杉柾板に四季草花、欄間の四季風俗美人画ともに 清方の筆です。

特に奥の間の床柱に使われている径一尺五寸の北山杉の天然総絞丸太はまれにみる逸材。

廻り廊下の北山丸太を扱った化粧軒、障子建具、組子など、細心の造りとなっています。

頂上の間・神々の園

大島エレク総業によるライティングデコレーション

現世に戻る途中で見つけた「神々の園」を表現しているのが、「頂上の間・神々の園」です。

お部屋に入ると、大島エレク総業によるライティングデコレーションに目を奪われます。
瞬く星にもカラフルなお花にも見えますが、幾何学的なアートが宙に浮いているよう。

越谷だるまのだるまアート

越谷だるまの端整なフォルムを活かした、だるまアート。
伝統的なだるまですが、英文記事や幾何学模様の和紙が張られており、モダンさも感じます。
おしゃれですよね!歌舞伎のようなデザインのだるまもあります。

栃木ダボ製作所による神々のお面と水引作家・山冨繁子氏の作品

栃木ダボ製作所による神々のお面がこちら。
間伐材を再活用し116種にも及ぶ神々のお面が製作されています。ポップなデザインでかわいいですね。

金色の龍は水引作家・山冨繁子氏の作品。ご祝儀袋の水引を利用して作られているそうです。
縁起の良い龍ですね!

頂上(ちょうじょう)の間

百段階段最上階に位置するのが頂上の間です。

天井画は松岡映丘門下の作品です。
前室、本間ともに格天井で、本間の床柱は黒柿の銘木を使用しています。

ミュージアムショップ

百段階段を降りると、ミュージアムショップがあります。
現世に戻ってきましたね。

企画展に展示されていた作品を購入することもできますよ♪

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【和のあかり・百段階段2023】見どころ

百段階段の企画展では、お部屋の中の展示だけで満足してしまいがちです。

しかし、お部屋の外にも百鬼夜行のアートが散りばめられているんです。
ぜひ探してみてください。

百段階段2023和のあかりの猫

猫ちゃんがいますね。

百段階段2023和のあかりのトイレ

百段階段のトイレには、妖怪が潜んでいます。

百段階段2023和のあかりのトイレ

あれ…?戸の隙間からは角のようなものが見えていますね…。
いたるところから、妖怪に見張られているかもしれません。

【和のあかり・百段階段2023】感想

感想・口コミ

大島エレク総業によるライティングデコレーション

雅叙園の百段階段という歴史的にも大変価値のある舞台で、百鬼夜行を表現した現代アートが違和感なく融合していました。
日本の芸術の美しさを、改めて感じることのできる企画展だと思います。
自由に写真撮影することができ、映える写真もたくさん撮ることができます。
浴衣や着物を着て参加すると、より世界観に没入することができると思います。

静水の間の天井

少し残念に感じたのは、現在アートが前面に出てきており、百段階段のもともとの姿が埋もれてしまっているところです。
今回の企画展で、雅叙園の百段階段の素晴らしさを知ることができました。
百段階段の本来の美しさや魅力を感じるためにも、再度足を運ぼうと思います。

名建築「百段階段」秋の見学会

2023年秋には土日限定で百段階段のそのままの景色を堪能できる秋の見学会が開催されます。
百段階段に興味を持たれた方は、こちらの見学会も参加することをおすすめします!

<2023年10月7日(土)~11月26日(日)>※土日祝限定
11:00~18:00(最終入館 17:30)

ホテル雅叙園 百段階段 アクセス・見学時間

アクセス

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